新人看護師の皆さんなら「申し送り」と聞くと緊張してしまう方は多いと思います。
先輩からは、「…で?」「これDrへ報告した?」など、いろいろツッコミの嵐。
怖くなったり、自信をなくしてしまう方もいるのではないでしょうか?
申し送りが上手にできるようになると、医師への報告やカンファレンスでの情報伝達にも
とても役に立ちます。
新人看護師の皆さんへ、明日から使える、申し送りのコツをお伝えします!
申し送りとは
申し送りとは、交代制勤務の際、患者・入居者の容体や変化のあった事項、医師からの指示などの情報を後任の看護師に伝えることです。
目的は「患者さんに、より良い看護を継続的に提供するための情報共有」です。
病院によっては、夜勤者から日勤者への申し送りを、プチカンファレンスの場として利用する場合もあり、
看護計画の振り返りや立案なども併せて行われることもあります。
申し送りのポイント
重要なこと、結論を一番最初に伝える
申し送りでは、一番最初に「重要なこと」「結論」を伝えましょう。
「重要なこと」とは、その日にあった容態や指示の変化、大きな処置や手術についての情報です。
聞き手の看護師は、申し送りを聞きながら、情報を整理しています。
まず知りたいのは、その日にあった大きな変化。それに伴う医師の指示変更や観察項目の変更など、
これから看護ケアする患者の優先順位を決める根拠となります。
項目に分けてまとめ、わかりやすく伝える
新人看護師さんは、自分が行ったケアなど時系列的に報告しがちです。が、それでは重要なことがなかなか伝わりません。
申し送りは項目ごとに分けて伝えましょう。
バイタルサインに関することであれば、それに関する変化、医師の指示内容、その後の患者さんの状態などを
まとめて伝えるようにします。
話がいろいろなところに飛ばないように注意が必要です。
相手に伝わる話し方を心掛ける
申し送る相手が先輩看護師なら、緊張のあまり、口ごもってしまったり声が小さくなっていませんか?
また、早口になってしまうのも、聞き取りにくく大切なことが伝わりません。
相手に伝わる話し方とは、
- はきはきと明るく大きな声で
- 背筋をのばし、深呼吸してリラックス
- 相手の話すスピードに合わせ、重要なことは気持ちゆっくりめに
申し送りをスムーズに行うための準備
患者さんの病態を理解しておく
申し送りをするときに、自分が患者さんの病態、指示内容を理解しておくことが重要です。
患者さんの容態に変化があり、医師から投薬内容の変更の指示が出たことをリーダー看護師から言われたとき、
その根拠について考えながら実施できているでしょうか?
業務に追われて落ち着いて考える時間をつくるのは難しいと思いますが、投薬や検査内容に追加や変更の指示が出たときは、その理由をアセスメントするように心がけましょう。
患者さんの病態をきちんと理解することで、根拠に基づく申し送りができ、些細なミスを防ぐことにもつながります。
テンプレートなどを活用し、要点をまとめておく
緊張していると、伝え忘れがあったり、話をまとめられず、申し送りがよけいにうまくいかないため、
あらかじめ申し送る内容について、テンプレートなどを使用してワークシートにまとめておくとスムーズです。
入院中の患者さんの場合
- 一般状態
- 治療、手術、検査、処置など、臨時的な事象による変化
- 医師からの指示、変更内容、インフォームドコンセントの内容と本人や家族の反応
- in、outバランスや食事量など
- 看護計画について
新規の入院患者さんの場合
- 氏名、年齢、病名、入院目的、主訴
- 入院までの経過(簡潔に)と既往歴、内服薬
- 現在の症状と入院時の検査データや一般状態
- 医師の指示内容、今後の検査や手術、処置の予定
- ADL、安静度
- インフォームドコンセントの内容と本人や家族の反応
これらの内容から、次の勤務に必要・重要な項目はなにか整理して、必要な情報にポイントを絞って申し送ることを心掛けましょう。
先輩の申し送りを参考にする
実際に申し送りを行うなかで、聞いていてわかりやすいと感じる先輩のやり方を参考に、自分の申し送りを振り返ってみましょう。
なにを重点的に話しているのか、わかりやすいと感じた理由はなにか、いまの自分に足りないのはなにか。
先輩からのツッコミはつらいこともあるかもしれませんが、成長の機会ととらえ、いいところはどんどん取り入れてみましょう!
まとめ
申し送りでは、相手に必要な情報を簡潔に伝えることが重要です。
新人のうちは、慣れない・緊張もあって、うまく伝えられないこともあるかもしれません。
今日お伝えしたポイントを中心に、自分なりに申し送りメモやワークシートを活用しながら少しずつスキルアップしていきましょう!